大会主題
「新しい時代の聴覚障害を考える」 ~子供たちが豊かな人生を自ら切り拓くために~
主題設定の理由
「新しい時代の初等中等教育について(諮問)」(平成31年7月)では、以下のように今後の学校教育の変化について示されている。
今世紀は、新しい知識・情報・技術が社会のあらゆる領域での活動の基盤となっている知識基盤社会と言われており、人工知能(AI)、ビッグデータ、Internet
of things(IoT)、ロボティクス等の先端技術が高度化してあらゆる産業や社会生活に取り入れられ、社会の在り方のそのものが現在とは「非連続的」と言えるほど劇的に変わるとされるSociety5.0時代の到来が予想されています。このような急激な社会的変化が進む中で子供たちが変化を前向きに受け止め、豊かな創造性を備え持続可能な社会の創り手として、予測不可能な未来社会を自立的に生き、社会の形成に参画するための資質・能力を一層確実に育成することが求められており、それに対応し、学校教育も変化していかなければなりません。
また、学習指導要領の前文には、「これからの学校には、(略)、一人一人の児童又は生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる。」とある。
一方、聴覚障害教育は、学力を身に付けるために必要な言語力やコミュニケーション能力を高めることを最優先に教育を行ってきた。先人の培ってきた教育を継承し、その専門性をもって障害の多様性や社会の変化に対応しながら、教育実践を積み重ね、聴覚に障害のある子供たちの力を伸ばしてきた。現行の学習指導要領で示される以前から聴覚障害教育では、個別最適な学びを充実させ、子供たちの学力や、コミュニケーション能力を高める教育を行い、生きる力を高め、自立と社会参加できる子供たちを育ててきたと自負している。
予測不能な未来社会の中で、子供たち自身が自立的に生きていくためには、社会の変化に対応できる「生きる力」を高めていくことが必要である。現行の学習指導要領に示されたように、学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等の涵養」、生きて働く「知識・技能の習得」、未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等の育成」の3観点を基本に幼児・児童・生徒を育成することが求められている。インクルーシブ教育の進展や情報機器の技術革新により、聴覚障害者を取り巻く社会は大きく変化しているであろう。情報機器の技術革新により、今後はより一層シームレスに他者とコミュニケーションが取れることが考えられる。一人一人の子供たちが、自分の価値を認識するとともに、相手の価値を尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、よりよい人生とよりよい社会を築いていくためには、主体的・対話的で深い学びの実現が重要である。
本研究では、次代を切り拓く子供たちに求められる資質・能力を明らかにし、それらの力を着実に育んでいくため、新しい時代の聴覚障害教育の専門性のあり方を示し、今まで培ってきた聴覚障害教育の専門性の継承とさらなる発展のため、自立的に生き、社会の形成に参画できる資質・能力を確実に育成する教育を目指し、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となる子どもたちを育成したい。
子どもたちの確かな育ちは、今まで培ってきた聴覚障害教育の実践をもとにした、質の高い授業の先にあると考え、本主題を設定した。
会 期
2024年(令和6年)10月17日(木)~18日(金) 2日間
会 場
<公開授業>
○東京都立大塚ろう学校
〒170-0002 東京都豊島区巣鴨4-20-8
TEL(03)3918-3347 FAX(03)3915-9844
○東京都立中央ろう学校
〒168-0073 東京都杉並区下高井戸2-22-10
TEL(03)5301-3031 FAX(03)5301-3034
○東京都立葛飾ろう学校
〒124-0002 東京都葛飾区西亀有2-58-1
TEL(03)3606-0121 FAX(03)5697-0275
○東京都立立川学園
〒190-0003 東京都立川市栄町1-15-7
TEL(042)523-1358 FAX(042)523-6421
<記念講演・授業研究分科会・研究協議分科会>
○国立オリンピック記念青少年総合センター
〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町3-1
TEL(03)3469-2525 FAX(03)3469-2277
主 催
全日本聾教育研究会 関東地区聾教育研究会
主管校
東京都立大塚ろう学校 東京都立中央ろう学校
協力校
東京都立葛飾ろう学校 東京都立立川学園
茨城県立水戸聾学校、茨城県立霞ヶ浦聾学校、栃木県立聾学校、群馬県立聾学校、
千葉県立千葉聾学校、筑波大学付属聴覚特別支援学校、埼玉県立特別支援学校大宮ろう学園、
埼玉県立特別支援学校坂戸ろう学園、明晴学園、日本聾話学校、川崎市立聾学校、
横浜市立ろう特別支援学校、横須賀市立ろう学校、神奈川県立平塚ろう学校、山梨県立ろう学校、
長野県長野ろう学校、長野県松本ろう学校、静岡県立沼津聴覚特別支援、
静岡県立静岡聴覚特別支援学校、静岡県立浜松聴覚特別支援学校
後援(予定)
文部科学省 東京都教育委員会 全国聾学校長会 全国聾学校教頭会 全国特別支援学校長会
関東地区聾学校長会 関東地区聾学校教頭会 東京都特別支援学校長会
全国ろう学校PTA連合会 全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会
協賛(予定)
公益財団法人聴覚障害者教育福祉協会 小川再治研究協賛会
公益財団法人日本教育公務員弘済会